初心者でも飼いやすく奥が深い! 50代からの個性派ペット特集
20代30代の頃は「ペットを飼うと、婚期を逃す」だの「恋愛が遠のく」だのと、迷信のようなジンクスに惑わされることもあったでしょう。50代を過ぎて子供の独立が見えてきたら、もう大丈夫。常々飼いたいと思っていたペットを、そろそろ自由に飼っても良いのではないでしょうか。しかし高齢からのペットお迎えには気をつけたい点がいくつかあります。
まず今後の体力の衰えを鑑みて、大型動物と素早い生き物は避けましょう。大型犬はいうに及ばず、たとえば大型種のリクガメも体重が数十キロに達して持ち運びに難儀します。また、毎日散歩する必要がないほうが飼いやすくなります。小さくてもチョロチョロと足の速い小型犬やフェレット、トカゲなどは、逃げ出したら追いかけて捕獲するのがとても大変だし転倒の危険も。ペット飼育は見た目がカワイイから癒され、高齢の人にとって「アニマルセラピー」の側面もあります。子供や妻と疎遠になって空いた心の穴を埋める存在となるでしょう。
哺乳類なら「ウサギ」
小動物でおとなしい部類に入るウサギは、50代以上がこれからお迎えするのにピッタリなペット。人間が直接触って一緒に遊べて、スキンシップをとれる所が嬉しい。とても神経質な動物なので、自宅にお迎え初日からの手出しは厳禁です。時間をかけて新環境に慣れさせ、飼い主に安心できるまで根気強くストレスを与えないように距離感を大事にします。よく「うさぎは寂しすぎると死んじゃう」と噂されますが、これ自体は嘘とはいえ半日以上も餌を食べられなかったり、遊びたいときに遊べなかったりすると過度なストレス等により健康状態が悪化することがあります。
うさぎの寿命には幅がありますが、ざっと5年前後。環境が合わないとわずか1、2年で急逝しますし、長寿になると10年を超えて生存します。アラフォー世代から飼育しはじめて、最大で60歳位までは一緒にいられるかもしれません。他に50代から飼いやすい哺乳類ペットとしては散歩いらず、静か、臭わない、人懐こいと評判な猫も人気ですが、寿命が軽く10年を超えます。飼い主が高齢になるほど負担を感じるかもしれませんが、それでも構わないという覚悟のある方なら大丈夫です。
魚類なら「メダカ」
いま50代の人が10代の頃なら、近所の田んぼや川、池の中にわんさかメダカがいたことを思い出して懐かしいのではないでしょうか。今ではアクアリウムショップで買うしかないほどメダカは絶滅危惧種化してしまいました。最近の子供はあのメダカを見たこともなく知らないのでは、と危惧するかもしれませんが、小学校の体験学習などでビオトープ制作が実施されており、そこで普段は見られない水生生物に触れ合う機会があるようです。
昔のメダカというと黒っぽい地味な色合いの印象でしたが、現在ペットショップで購入できるメダカには黒、緋色、白、青、アルビノなどカラフルに様々な品種があります。価格は数十円からと超リーズナブル。自分の好みで選ぶとよいでしょう。中でもオレンジ色のヒメダカを品種改良した楊貴妃メダカが人気です。品種によって飼育難易度にバラつきがあり、黒メダカは丈夫で金魚鉢と水草だけからでも育てられます。平均的なメダカの寿命は野生下なら1年程度ですが飼育下だと3年から5年といったところ。きちんと飼うなら水槽で水質や温度管理をしますが、アクアリウムの入門としてもオススメの飼いやすさです。
両生類なら「ウーパールーパー」
サンショウウオの仲間で、実はメキシコサラマンダーという名前のウーパールーパー。30年以上前の某テレビCMでUFOに乗って地球にやってきた宇宙生物という設定のかわいい両生類です。横長の顔と離れた目、ふわふわのエラがチャーミングで、子供から大人まで癒されました。ウーパールーパーの身体はピンクがかった白ですが、これは元々黒っぽい原種のアルビノを品種改良したもの。
小さくて柔らかいウーパールーパーは、こう見えてなかなか強靭な肉体をお持ちで再生能力が高く、飼いやすいほうでしょう。寿命は意外と長く、10年前後生きることもあるとか。変温動物なので、水温に気をつけて。快適な温度は10℃から20℃程度で、寒すぎると冬眠を始めてしまいます。
爬虫類なら「コーンスネーク」
ヘビはこわい! と条件反射で拒否反応が出る人は少なくありません。噛まれたら痛そうだし、毒を持っていて命にかかわる危険な動物だという印象もあるでしょう。手足がなくて細長い形に嫌悪感を抱くこともあります。本能にもとづく防衛反応なので、おかしなことではありません。ところが怖いもの見たさというか、おっかなびっくりしながらも手を伸ばして触りたくなってしまう不思議な魅力があるのもまた事実。冷血動物っぽいウロコのひんやり感が気持ち良いとクセになるファンも多いんです。
無毒で無臭、無音、温厚な性格と綺麗な体の色、少ない餌代、いいところだらけのコーンスネークは誰でも飼いやすいヘビの代表格。様々な色の個体がいますから、ペットショップで吟味しましょう。20℃から30℃程度に保温したゲージで飼い、大人になるとエサを与えるのは週1回でよくなりますから、自宅にコーンスネークをお留守番させて2泊3日程度の短い旅行に出かけても問題ありません。ただし脱走を防ぐために、ケースのフタが外れないようしっかりセットしてください。50代でペットはヘビ、というと驚かれるかもしれませんが、その可愛さを知れば虜になってしまう人が増えるでしょう。