富裕層は何に興味がある? 豊かになるほど気になる隣のお金持ちの関心事情
所得や資産が増えて生活に経済的・時間的余裕ができると、日頃の関心事にも変化が生まれてきます。そこには平均的な普通のサラリーマンには想像もしない富裕層ならではの人生の楽しみ方があるようです。いつくかの媒体で実際のリッチを対象に興味関心事したアンケートの調査結果が公表されていますので、ピックアップしてご紹介。50代にとって持て余しがちな時間とお金の使い道の参考になるかもしれません。
「特別な旅行」を求める富裕層の関心事
出展:プレジデントオンライン
古き良き昭和時代には、キヤノンのカメラを首からさげた老夫婦の団体観光客が海外旅行先を賑わせていたイメージがあります。豊かな老後の楽しみとしての海外旅行が定着していました。昔以上に飛行機や海外旅行パックの選択肢が増えて出国しやすくなったこともあり、今も50代以上のセミリタイア世代に海外トラベルが人気です。
その中でも富裕層は特別な旅行を指向します。プレジデントオンラインによれば「特別な旅行」が関心事の人気上位。あらかじめ用意されたパッケージ旅行ではなく、自分たちだけのオーダーメイドな旅に魅力を感じています。他にも「オーダーメードのイベント」「別荘・海外不動産の売買」「プライベートジェット等の購入」とどこか海外旅行に通ずるポイントが共通。別荘や海外不動産は投資対象であると同時に旅行時の宿泊先にも使えますから、富裕層に嬉しい一挙両得といったところでしょうか。
アンケート1位は名医や医療機関。やはり健康は所得の多寡にかかわらず切っても切り離せない関心事のようです。そして子供や孫の教育、防犯安全対策と続いていき、一般人でもできることなら充実させたい、追求したいと思える対象でした。美術品の査定購入、ワイン収集などはお金があったら始めてみたいと思わずにはいられない趣味ですね。
意外と低い「ブランド物」に対する興味
出展:VISA
多くの国外富裕層に比べて日本の富裕層は興味の対象が少ないというVISAの世界旅行意識調査。ここでも関心事のトップは海外旅行。島国の特性なのか、確かに風景も言葉も違う異文化に対する漠然とした興味や憧れというのは根強い気がします。
コンサートや音楽、演劇といった関心が高いことから、生演奏ならではのライブ感を指向しています。ビデオやCDのように「再生」される媒体よりも、本物の音と光による一期一会の臨場感に価値があると。生の迫力、刺激、体験は海外旅行にも求める要素で共通しています。やはりアラフィフともなるとありきたりな事は経験済みですから、新鮮な驚きを与えてくれる対象に関心が向くのでしょう。
意外なのはブランド物の時計やバッグは低順位で、相対的に関心が薄い点。お金持ちになったからといって高級ブランド品を買い漁るとは限らないようです。所有欲が一度満たされたらそれで満足して終わり、というだけの物かもしれません。
富裕層の女性ほど「上品さ」を望む
出展:baxooka
女性にとって上品さへの関心は貴賤にかかわらず高いものですが、豊かになるほど重要さも増すようです。マーケティングメディア・バズーカの記事によれば、日本の総世帯の1%にあたる世帯年収2000万円以上の女性では教育や健康に加えて「内面的な美しさ」としての上品さが重要とのこと。
衣食足りて礼節を知るといいますが、資産、教育、健康問題をクリアした女性が次に目指すのは落ち着きがあり、正しい言葉遣いやマナーが身についている内面の美しさということのようです。もっとも、自由に使えるお金が月に20万円以上の人達なので、思うがままに上品さを追求して自分磨きが可能なだけの経済的余裕があってこその特徴といえます。
オーダーメイド海外旅行は娯楽の一環であり、高級車や高級バッグなどの高級ブランド購入に物欲を満たす以上の意味は薄い。一方、「上品さ」は曖昧だが万人に共通する自己探求であり、終わりのないテーマです。お金と時間にゆとりがあり、社会的承認も欲しい富裕層女性には興味をそそられる対象といえるでしょう。
こうして様々な媒体のアンケート調査結果を見ていくと、富裕層は単に贅沢品や豪華なホテルを楽しむだけの趣向で生きているわけではないことが分かります。お金がなくては出来ない特別な体験を追い求め、特別な自分になるためならふんだんにお金を使う傾向にあるようです。本来こうしたかった、という達成像を実現していくイメージでしょうか。
50代、60代と所得が増えるほど何に使うか悩みますが、庶民感覚と異なる富裕層のお金の使い方は参考になります。自分の身近に目も眩むような富裕層がいたら、何に関心を抱きどのような時間とお金の使い方をしているか、失礼にあたらない程度に注目してみると良いでしょう。