シベリア鉄道が完成100周年! 北海道まで延伸する構想も。豪華列車で行くロシア横断の旅
引用:www.aptouring.com
ロシアのシベリア鉄道を日本の北海道まで延伸する構想が話題になっています。モスクワからウラジオストクまでは約9,000km。この区間内で鉄道を連結させて運行させ、現在のシベリア鉄道ルートが1916年に完成しました。
今年は2016年ですので、シベリア鉄道オープンからちょうど100周年でもあります。Googleのロゴマークが記念ムービーに変わっていますね。
北海道までシベリア鉄道が延伸するとどうなる?
もし北海道とロシアが鉄道で接続されると、まず日本・ヨーロッパ間の国際物流が大幅に変わることが予想されます。
シベリア鉄道はロシアの端から端までカバーしているため、ロシア国内の豊富な自然資源と、日本製の高度な加工品を相互に輸送する能力が格段に向上。
さらにモスクワからフィンランドやドイツ、フランス方面へも鉄道で繋がっていますから、EU地域への輸送手段が海路と陸路の2択に増えるでしょう。
現在はコンテナ船でしか流通できなかった物資をシベリア鉄道上の貨物列車に積んでヨーロッパまで短時間に届けられるとなれば、計り知れない貿易上のメリットが見込まれます。
また、国際的な人的移動も増えますね。現在、北海道を訪れる外国人観光客は中国と台湾からで半分を超えています。ロシア人の日本好きは中々のもので、シベリア鉄道の日本延伸により交通手段が便利になれば手軽に訪日するロシア人観光客が増えるのは間違いありません。
気になるシベリア鉄道の乗り心地は?
引用:www.popcorntrip.com
日本まで来るかもしれない、そんなシベリア鉄道ですが乗り心地はどんな感じなんでしょうか、海外旅行好きには気になりますね。
シベリア鉄道の代表的な車両「ロシア号」が有名です。テレビ番組「世界の車窓から」でも乗車していました。寝台列車であり、2人用個室、4人用個室、6人用開放寝台のどれかのベッドが自分の席になります。
一人旅ではほぼ確実に海外の他人と同室になるでしょう。土地柄で乗客はロシア人や中国人が多く、英語すら通じないため身振り手振りが共通言語だったりします。こうした刺激的な出会いもシベリア鉄道の魅力ですね。
通年で暖房がガンガン入っており、冬はともかく夏だと蒸し暑く感じるかもしれません。食事は売店や食堂車もありますが、各停車駅で安く買える地元の料理を買い込んで来る人が多いようです。無料で使える熱湯タンクが設置されており、日本から持ち込んだカップラーメンも作れます。
「車輪上の高級ホテル」と呼ばれるシベリア超豪華列車
引用:www.luxus-bahn-reisen.com
上記の通常車両と一線を画すラグジュアリーな高級車両が走っています。イギリスで設立されたゴールデン・イーグル・ラグジュアリー・トレインズ社という民間企業が運営する「ゴールデン・イーグル号」。
ゴージャスとレトロが調和した内装はもはや列車に乗っていることを忘れさせられます。シャワー、トイレ付きの完全個室キャビン。ウェルカムシャンパンのドリンクサービス。朝昼晩とも三つ星レストランに匹敵する一流シェフによる本格料理。
鉄道では珍しい24時間対応のコンシェルジュサポートもあります。車内で日々催されるロシア語講座やライブ演奏会、レセプションパーティーの数々。日本側のウラジオストクから終着駅モスクワまで飽きさせない豪華なイベントが待っています。
気になるゴールデン・イーグル号乗車のお値段は代理店にもよりますが2,880,000円から。一泊あたり約28万円也。11日分の高級ホテル宿泊費と考えれば妥当なところでしょうか。
シベリア鉄道には他にも「ツァーリ・ゴールド」「グランド・デラックス・シベリア・エキスプレス」「インペリアル・ロシア」などゴールデン・イーグル号に勝るとも劣らない個性的な豪華列車が存在し、国内外の観光客を楽しませています。
シベリア鉄道が北海道云々で話題になってるけど石川県は何十年も前に時代の先を行っているんだぞ pic.twitter.com/wOCIrEKkuU
— ばるとね/barutone (@barutone_) 2016年10月3日
始点から終点まで約2週間かけてロシアを横断するシベリア鉄道の旅。日本とロシアは領空侵犯や北方領土など政治的な問題を抱えていますが、一方で天然ガスをはじめ割安なエネルギー資源やアジア・ヨーロッパ間の陸上運輸による経済協力も模索されています。
実現可能性にはまだまだ疑問符も多いですが、シベリア鉄道延伸によってお互いWin-Winとなる関係を築けたら良いですね。