定年後のセカンドライフに検討したい「ゆるい起業」
定年後から個人事業や法人をスタートするセカンドライフ起業。かつて脱サラして大金獲得を目指し商売や仕事を始める独立が持て囃されました。
そんなバリバリ起業はセカンドライフ起業でも可能かもしれませんが、人生の後半を無理なく楽しみながら続ける起業の形はもっと「ゆるい」。
身体を労る。楽しくないことはしない。時間や利益で縛らない。でも真剣にやる。ゆるい起業は一攫千金ドリームに満ち満ちた利益至上主義のギラギラした一般的な起業とは全く異なります。
楽しい、無理しない、やりがい優先
まず、楽しいこと。そして身体や心に無理をしない。それでいてやりがいを感じられる仕事。こうしたユルい形で経営する高齢での創業が、セカンドライフ起業あるいはシニア起業の魅力です。
体力もストレス耐性もある若い頃は仕事で多少無理をしてでもお金を稼ぎ、そのお金を自分や家族の幸せに繋がることに使うという順序でした。一方、定年を迎えて子離れし、退職金も得て経済的にゆとりのあるセカンドライフ起業は、お金を仕事の第一目標にする必要がない状態なのです。
労力や労働時間に自由が効いて、楽しいと思えることを楽しい分だけやれるのも、利益の最大化を目指さない働き方を選ぶメリット。60歳を超えると、どんなに楽しくても朝から晩まで続けていては疲れます。ゆるい起業に定時まで働かなくてはならない決まりはありませんし、体を壊しては一大事。
休めるだけ休んで、またしたくなったら再開すればよいのが、ゆるい形の良い所。シニア起業で人気の飲食店なら、無理して毎日営業する必要はなく、不定休や短時間にしてもよいのです。銀座の高級料亭のように1日2~3組限定の完全予約制にした隠れ家的小料理屋なんて、洒落ていますね。お客さん一人ひとりのリクエストにあわせられるので顧客満足度も高くなるでしょう。
前職までの知識や経験、スキルを活かせる仕事なら知り尽くしていますから、力の入れ具合がわかるはず。得意な仕事を適度にこなせて人に喜びを感じてもらえるならば、そこに達成感が生まれ、やりがい、生きがいに繋がります。
利益を追求しない≠ボランティア
ゆるい起業は利益獲得を第一に追求したりしません。薄利多売であっても商売として無理なく続けられるのであれば、セカンドライフ起業は成り立ちます。しかし趣味の延長だからといって損得勘定を度外視した経営は持続可能な事業とは呼べません。ましてや無報酬で請け負うボランティアとも違います。社会に役立つ仕事をしたいと思っても、持続可能な経営基盤があってこそ。それはゆるい起業でも同じです。
豊かな人生経験を活かした職業がセカンドライフ起業に適していて人気です。得意分野のアドバイスや補助業務を行うなど、コンサルタント的な事業は比較的時間が自由で肉体労働も少なく済みます。受け付けるクライアントの数や規模を小さめに管理すれば、コンサルティング業務に忙殺されることもなくなるでしょう。