仮想通貨の種類まとめ。ビットコイン以外どうなの? 資産運用先としては?
貨幣や紙幣というモノとして実在しない通貨ではありますが、SuicaやFericaのような電子マネーとは全く違います。価値の相対的な変動と電子取引の仕組みを見ると、外国為替取引銘柄(FX)に近いかもしれません。
巷を騒がせているビットコインの他にはどんな種類の仮想通貨があるのか、資産運用の対象として適しているのかどうか。連日のように「暴落!」「爆上げ!」と煽り文句が踊っている印象ですが、具体的な仮想通貨の種類を追っていきたいと思います。
ビットコイン
技術者間で技術上の対立が絶えない仮想通貨です。2017年8月、中国国内の一部ビットコイン運営陣が分裂して新たに「ビットコインキャッシュ」という通貨を派生させました。その際に先行きの不透明さからビットコインの価値が一瞬下落しましたが、すぐに盛り返し、その後は最高値をつけています。しかし9月にビットコインシェアの8割以上を占める中国国内において、ビットコイン取引所が当局によって突然の営業停止。これにより相場にナイアガラ落下が発生して過去最大級の暴落。さらに10月には、また別の分裂騒動が予定されているとか何とか。2009年には1円以下の価値しかなかったものが、今や40万円相当にまで成長してきて、さてこれからどうなるか。上がるか? 下がるか? 全世界のビットコインホルダーが頭を抱えています。
では私達の実生活にビットコインがどのくらい普及しているかというと、まず全国の家電量販店ビックカメラで支払いに使えます。また、眼鏡チェーンのメガネスーパーでも全国の実店舗でビットコイン決済できます。ただし、急激な価値変動などで一時的に取引が停止することはあるようです。また、旅行代理店のHISで現在は首都圏内だけですが使用可能。世界にまたがる汎用性が仮想通貨の特徴ですから、旅行社とは親和性が高そうですね。その他に、小規模な飲食店、宿泊施設、サービス業店舗でビットコインを使えるショップが全国に数多くあり、日々増えています。外国人観光客の利用を見込んでいる業種が多い印象です。
ビットコイン以外の仮想通貨=アルトコイン(オルトコイン)
まるで仮想通貨=ビットコインととらえても差し支えないくらい、現在はビットコイン一強の様相ですが、世界にはビットコイン以外にも知られざる非常に多くの仮想通貨が乱立中。小規模な仮想通貨だったり、用途が特殊で非公開の仮想通貨もあわせると1,500種類以上も存在するんだとか。しかもP2P暗号通貨の技術は多彩で、メリット・デメリットも異なります。これらビットコイン以外の仮想通貨はアルトコインまたはオルトコイン(alternative coin)と呼ばれています。
アルトコインには以下の種類があります。
イーサリアム(通貨名:Ether)
イーサリアムという名前の仮想通貨があるわけではなく、正確には仮想通貨を含む取引や契約のプラットフォームがイーサリアムであり、そのブロックチェーン(取引履歴)の中で流通する通貨(ビルトイン通貨)を「Ether(イーサ)」と呼んでいます。が、最近ではビットコインに並ぶ規模にまで普及してきた側面が大きくなり、イーサリアム=仮想通貨と事実上呼ばれるに至っています。よほど電子取引に詳しくなければピンと来ないかもしれませんが、既存の単なる電子商取引に詳細な契約を付帯させられるサービスを目指しているようです。2017年9月時点の仮想通貨の時価総額ランキングでは、ビットコインに次いでイーサリアムが2位につける規模になりました。
リップル(通貨名:XRP)
仮想通貨の特徴のひとつに決済速度が遅いという欠点がありまして、リップルはビットコイン等と比較するとこの決済速度を高速に行うことができます。仮想通貨としての名前は「XRP」であり、リップルという名前はXRPが動くプラットフォームを指しているという、どこかで聞いたような構造になっています。少し前までは時価総額ランキング上で2位だったリップル(XRP)。現在は分裂したビットコインキャッシュとほぼ同じ規模の4位に後退していますが、今後どうなるかは誰にもわかりません。他の仮想通貨もそうですが、仮想通貨取引所が取り扱っている限りは、円やドル、ユーロとXRPが相互に為替取引できる仕組みとなっています。それは時価総額ランキングが1位だろうと4位だろうと同じこと。なんだか既存の金銭感覚が追いつかない気がしてきますね。
ネム(NEM)(通貨名:XEM)
「New Economy Movement」のイニシャルをとってNEM(ネム)と呼ばれている一種。通貨自体は「ZEM(ゼム)」といいます。ビットコインと比較すると小規模ですが、決済スピードが格段に早くて、ゼムを使えば使うほどお得なしくみも。ブロックチェーン技術の一種であるmijinやカタパルトなど追加される新機能の開発が続けられており、NEMには今後のシェア拡大が予想されています。
仮想通貨が信用を担保する基盤としているブロックチェーン技術等のフィンテックは、仮想通貨以外にも応用できる汎用性があります。通貨としての評価額を高めるために、技術の優秀さを活かした付加価値を増やしていく方向で今後も鎬を削っていくことでしょう。これから仮想通貨を資産運用のポートフォリオに追加する検討を始めるユーザーとしては、未だ「胡散臭さ」が拭いきれない仮想通貨へのイメージを払拭するため、早急な法整備を進めていただき、実用に耐えうる信頼性に達してほしいですね。