【はじめに】

　シニア世代が起業・開業を目指す場合の選択肢の一つに

「週末起業」というものがありました。

　文字通り、本業に支障の出ない土日や会社の休業日に

将来第二の仕事にしたいと思う業務を手掛けるというものです。

　例えば、自治体が運営するフリースペースを利用して

アクセサリーの製作教室や実演販売のブースを展開してみる。

フリマに出店することでで実際の客とのやり取りを経験してみる。

週末に食べ歩きをしてそのリポートをWebで発信する。

　試し営業を行うことで自分の考えが甘かった、ニーズは見込めない、

あるいは手ごたえ十分だった、早くも固定客がついてしまった！

　など等の実体験でしか得られない貴重な情報収集を図るというものです。

　今までこの場で紹介してきたのは、

どちらかといえば退職後、又は早期退職で起業や独立を目指すシニア世代、

そこでどう第二の仕事と向き合うかという視点からでした。

　これとは似て非なるものに、

あくまでも「副業」として本業とは別に収入を得る、という働き方があります。

　起業や独立、または退職を前提としたものではなく、

今の仕事を遂行しつつ新しい仕事に向き合うという働き方について

紹介したいと思います。

副業を考えた理由は？

　副業を目指す、その理由は様々です。

何となく副業に関心を持つ＝現職での待遇や内容に不満から

といったややネガティブな理由と思われる方は少ないないと言えます。

　ですが、最も多かったのは「貯蓄の為、小遣いの確保」で

次は「生活費の補填、学費の捻出など」でした。

やはり金銭面からの理由が上位を占めています。

　とはいえ、退職して好条件の職に就くまでの想いではないようです。

　これに続くのは

「新しい知識や経験を得たい」

「その知識や経験を本業に活かしてステージアップに繋げたい」

「将来起業や独立を図る際の準備の一環として」

「本業では得られなくなったやりがい、充足感を得たい」

といった動機でした。

　ただ繰り返しになりますが、

「今の仕事はこのまま続けながら」という前提がついています。

　上記の動機をより簡単に言い換えますと以下のような動機と言えるでしょう。

　・より収入を増やして今よりいい生活を目指したい

　・今の生活を維持する為に収入を確保しておきたい

　・仕事の幅を拡げたい、社内ポジションの向上に役立てたい

　・今の会社が危うくなった時の為の命綱として収入のある仕事を確保しておきたい

　・生きがいややりがいを再び感じたい 

 　以下にそれぞれの場合について、簡単に紹介したいと思います。

本業で培ったスキルやノウハウを生かしての仕事の場合

　基本的に、同業他社や競合相手で従事することは社則で禁じられているはずです。

ただ、自身が体得した営業の極意、必要なスキル等を有料でアドバイスするような仕事や

専門分野でのスキル（経理業務など）を活かして決算資料の作成補助を行う等、

ある種のコンサル、アドバイザー的な働き方であれば両立は可能かと思われます。