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起業を目指す貴方は自重派、拙速派?

 

 結局この方は定年まで勤め上げた末に、再雇用という選択をし、

起業家になる夢は夢で終わらせました。

 

 

【起業:拙速派】

 文字通り何か一つのきっかけがあれば、即実行に奔るケースです。

 

 例えば、

~好立地の場になぜか格安の物件があった。

~同じ考えを持つ起業家と偶然受講したセミナーで知り合った。

~思いがけない収入(多くは相続や退職金など)で開業資金のめどが立った。

 

 この手の方は全て「このような場合に背中を押してくれる天命」と捉えがちです。

確かに、調べてみれば目指す事業にとって最適に近い立地や物件であり、

詐欺師でもない純粋な起業志望家同士であったり、それ自体は問題がありません。

 

 ですがこれ以外はほぼ準備不足、あるいは準備すらしていないのです。

物件があるものの、どんな事業をするかが絞り切れていない。

または、資金計画が不十分なまま(資金ショート等)であったり。

 

 

 いわゆる「走りながら考える」パターンですが、この事例も大いに問題ありです。

 

 先の自重派の場合は、踏ん切りがつけられないのが難点でしたが、

こちらの事例は、踏ん切りが早すぎるのです。 世の中、うまくいかないものです。

 

 一つの事例ですが、風光明媚な土地で喫茶店経営を秘かに夢見ていたタイミングで、

実にイメージ通りの物件に遭遇(してしまい)、後先考えずに退職し、物件を購入したのです。

 

 自身の趣味を反映させた洒落た内装や食器類を揃えて、蓄えは底を尽いたものの、

いい雰囲気、美味いコーヒーさえあれば勝手に客は来るとの考えで出発したのです。

 

 ですが、わずか3か月後には行き詰まり、当初は嫌がっていた旅行代理店とのタイアップを

お願い行脚する営業活動をするしかなくなり、高額の費用でコンサルの指導を受けるなど、

サラリーマン時代以上に厳しい管理下の仕事に就く羽目になったのです。

 

 結局数年後には店を手放し、またサラリーマンに戻りましたが、

この後を継いだ方は見事に経営を再建し、安定した集客を確保し=安定した収入を得られる「名店」

に育て上げました。

 

 ここで紹介した失敗者は、立地面の優位性だけは見事に見抜いていたわけですが、

肝心のマーケットリサーチや集客策の不備が致命傷になりました。

 

 

  

 

 

【起業に欠かせないものとは?】

 発想やアイデアは秀逸でも、机上の計画だけで実行が伴わない。

 計画性や計数管理よりも行動力と実行力(加えて勝負勘?)はずば抜けている。

 

 貴方はどちらがより自分に近いパターンと思いましたか?

 

 ここではそれぞれの失敗例(自重派の事例の方は失敗とは自覚してなかったかもしれません)

を紹介したつもりです。

 

 実際、自重派だったおかげで失敗を避けられたケースもあります。

目新しい事例では、飲食店経営を目指して、綿密な計画と十分なリサーチを重ね、

その結果起業・開業の成功の自信を確信したものの、なお慎重に検討を重ねているうちに、

あのコロナ感染の拡大と長期化に遭遇、開業即休業と言った事態に陥ることが避けられたのです。

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