『食卓の教科書』日本酒の話。
「くせがある」「おじさんのイメージ」「種類が多くてよくわからない」など日本酒が苦手な人の理由はいろいろ。でも日本酒って料理にも合わせやすく、種類(タイプ)も特長幅広いのです。ぜひ試してみてください。
日本酒の特長
・飲用温度の幅が広い
・料理のマイナス面を引き出すことが少ない
・生産地域、原材料、醸造方法によって、香や味わいの種類が豊富
・アルコール飲料の中で最も品質が変化しやすい
・工業的大量生産に向かない
・美肌効果が高い
・体を冷やす効果が低い
お酒のほとんどは体を冷やします。飲むと暖かくなる…と思われますが、それは一時的。もっとも冷やすのはウイスキーやブランデー、焼酎などの蒸留酒。
醸造酒の中で、体を冷やすのはビール、次にワイン。お酒の中では一番身体を冷やさないのは日本酒です。
薫酒 | 香りが高いタイプ 色調は淡い ワインのように花やフルーティーな香りがするタイプ 清涼感があふれ、飲み口は爽快 冷やすことによって爽快さが映えるので、8~12℃くらいで飲用 純米大吟醸酒、大吟醸酒、純米吟醸酒、吟醸酒などがこのタイプに多い 食前酒向き、前菜メニューに合う |
爽酒 | 軽快でなめらかなタイプ 色調は極めて淡い 香りは控えめでシンプル 味わいもシンプルで軽快 しっかり冷やすことで特徴が活きるので、5~10℃くらいで飲用 生酒、生貯蔵酒、生詰酒などがこのタイプに多い 料理との相性は幅広い |
醇酒 | こくのあるタイプ 色調はやや濃い 重厚でふくらみのある香り(穀物、乳製品、木の香り) 燗に最も適したタイプで15~20℃又は40℃前後で飲用 生もと、山廃系、純米酒、本醸造酒などがこのタイプに多い 食中酒として最適であり、生クリームやバターを使用した洋食にも合う |
熟酒 | 成熟したタイプ 色調は極めて濃く、琥珀色、褐色 香りは非常に力強い(スパイス、樹木、シェリー) とろりとした重厚な飲み口 高めの温度15~25℃又は35℃で飲用 古酒(10年以上)などがこのタイプに多い 食後酒向き、力強い濃厚な味の中華料理などにも合う |
「日本酒サービス研究会(SSI)」
日本酒ビギナーの方には、さらっと飲める爽酒タイプを。一方、ワインを飲みなれている方には薫酒タイプがお勧めです。
お燗で楽しみたいときは醇酒タイプ。秋の夜長をちびちびと・・・というときは熟酒タイプと気分や季節によって試してみてはいかがでしょう?
最近は小さめの瓶で売っている日本酒も多いので、お友達と一緒に数種類を飲み比べて、好みの探して見るのも楽しいですよ!
テーブルコーディネートの観点から、それぞれのタイプに合う酒器
飲用温度で器の大きさが決まり、お酒の色で、素材や色を選びます。
薫酒タイプは見た目に清涼感が感じられるよう、ガラスやクリスタルの器でラッパ型やワイングラス形状のものがよいでしょう。
爽酒タイプは、冷やしていただくので、小さめの飲みきりサイズのグラス。お酒自身に色がないので、色ガラスの器でもマッチします。
醇酒タイプは器の形状は選びません。九谷や備前、織部などの純日本調の酒器を使うと風情があっていいですね。
熟酒タイプは香りが強いのでブランデー形で琥珀色が綺麗に見える器が素敵。中が金塗りの漆器も高級感があります。
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