落語によく出てくる江戸の言葉
古典落語には今ではあまり聞かれなくなった言い回しが出てきますので、今回は独特の言い回しや江戸訛りを少しご紹介したいと思います。
【あたぼう】
「当たり前だ、べらぼうめ」を詰めて「あたぼう」と言います。ちなみに「べらぼう」とはお米を潰す「へら棒」が訛ったもので、「穀潰し」の意味だそうです。
【誂える】
あつら-える 注文する事です。お蕎麦も着物も何でも「誂え」ます。
【一束】
いっそく 野菜などを十で一把(いちわ)、十把を一束(いっそく)と数えた事から、百の事。
【御銭】
おあし 銭貨、お金の事で、元は女房詞です。今でも「おあしが掛かる」と言う事がありますね。
【御飯】
おまんま 飯の事です。
【御御御付け】
おみおつけ 味噌汁の事です。「御付けの実」という言い回しは頻繁に出て参ります。
【髪結床】
かみいどこ 理髪店の事です。「かみいさん」とも。
【上方】
かみかた、かみがた 京大阪の事です。
【玄翁】
げんのう 金槌の事です。殺生石に化けた妖怪・九尾の狐を金槌で退治した玄翁和尚が由来です。
【こうこ】
香の物、漬物の事です。「おこうこ」とも言います。
【千住】
こつ 岡場所(おかばしょ。幕府非公認の私娼屋が軒を連ねた歓楽街)のあった小塚原(こつかっぱら)という地名から千住の事を「こつ」と呼びました。今もなお旧日光街道沿いに「コツ通り商店街」がございます。
【小間物屋】
こまものや 日用雑貨や化粧品などを扱っていた小商いです。
【菰】
こも マコモを荒く編んで作ったムシロの事です。菰に包まっているところから浮浪者の事を「おこもさん」とも呼びました。
【下地】
したじ 醤油の事です。
【女郎】
じょうろ 江戸訛りでは「じょろう」が「じょうろ」となります。
【疝気】
せんき 腹部や腰部の病全般を指して「疝気」と言いました。性病も含まれるので、男性の病気だと考えられていた様です。
【そういう】
「そう言う」には「注文する」という意味もございます。「何でも好きなものを、そういってあげよう」といった具合に使います。
【棟梁】
とうりゅう 江戸訛りでは「とうりょう」が「とうりゅう」となります。
【仲】
なか 吉原遊郭のメインストリートである仲之町(なかのちょう)から吉原の事を「なか」と呼ぶ事があります。
【のべつ】
しょっちゅう。
【糊屋】
のりや 姫糊(ひめのり)という洗濯や障子貼りに使う米から作った糊を売る商売です。落語にはよく「糊屋の婆さん」が登場致します。
【端】
はな 最初の事です。
【ピン】
ポルトガル語で「点」の事を「pinta」という事から、サイコロの一の目を「ピン」と呼ぶようになりました。今でも「ピン芸人」や「ピンからキリまで」、「ピンゾロ(サイコロの一の目が揃う事)」という風に使われております。
【竈】
へっつい かまどの事です。
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