定年退職後、自分の事業を興すセカンドライフ起業をお考えのベテラン会社員が沢山います。

仕事を通じて培った多くの経験やスキル、人脈は貴重な有形無形資産です。定年を迎えたからといって活用を止めてしまうのは非常にもったいないこと。それに誰しも大小の差はあれ、長いサラリーマン中に出来なかった気になる仕事や趣味があるものです。

本当に自分がやりたいと思える事業を実現するために、セカンドライフ起業へ向けて準備しましょう。

仕事上の人脈を起業後にシフトする

会社勤めしている間から、将来自分が始めるサービスへの需要をそれとなく顧客や関係会社へ遠回しにヒアリングしてリサーチおきましょう。未来の営業先リストを、今から作成し始めるのです。あくまで現在の会社に背徳せず、企業コンプライアンスに即した範囲で。

もし競合他社の既存サービスと類似していたら、乗り換えの契機となるポイントはどこか。どんなメリットが上回っていたら自分を選んでもらえるか。そう、現役中に心がけているノウハウと同じですね。現在のビジネステクニックは定年後の起業でも同じように活用できます。

そして定年退職した後に、セカンドライフ起業した新しい名刺と新サービスのプレゼン資料を持って、改めて挨拶しましょう。これまで築いた信頼をフル活用してセカンドライフに臨みます。

退職金に頼らない資金計画を

人生で最もまとまった現金を得られる機会といってもいい程、退職金は多額です。しかも税制面でも優遇されており、一般的な会社員なら所得税を納税する額は僅かで済みます。

この退職金をアテにした事業計画がよく見受けられます。スタートアップは設備投資や安定軌道までの資金繰りに何かと現金が入り用になりますから。

しかし退職金から資本金を差し引いた余剰資金を、何かあった時のための保険のように看做すのは危険です。本来必要なかったお金に手を付けざるを得ない状態は、そもそも事業計画に問題があるからです。

ビジネスのシビアさはセカンドライフ起業であっても同じ。趣味の延長として始めるなら、資金計画も趣味の範囲内に抑えて無理のない経営を忘れないようにしましょう。