高齢の親に遺言書を作成させるのが大変(既婚女性、主婦)
両親とも健在で80歳を超えています。そして山やマンションなど不動産をいくつも所有しています。子の私含めて4人兄弟姉妹のだれも正確に把握し ていません。
歳相応といったら同年齢の他の方に失礼ですが、共に病気がちで一緒に車で病院へ通う毎日です。ちょうど遺産相続をテーマにしたテレビドラマも始まりましたし、そろそろ正式な遺言書を用意してほしい。でもうまく作成させるのが大変です。
相続人が多いのに分割しづらい不動産なので、今からうまく用意できる方法はないでしょうか。
・徳島県在住、女性 (49) 既婚、主婦
ご兄弟の中で同居されている方はいらっしゃるのでしょうか?
この様な場合、「誰が言いだしっぺになるのか?」
もっと直截な言い方をすれば「誰が猫の首に鈴をつけるか」で多くの場合、堂々巡りになり、何の進展も見ないまま時間だけが過ぎていく。
その間にどちらかが判断能力を低下させて所有する財産が把握できなくなったり、悪くすれば何の備えもないままに相続の発生と言う事態にもなり兼ねません。
仮にご兄弟の間に何の確執もなく、意思の統一が図れているのであれば、同居されている親族から切り出すのが適当と思われます。
では、どういった切り口で?
失礼ながらお子様であるご相談者の方もそれなりの年齢です。
「交通事故や天災に遭ったら年齢は関係ないから」
「これは兄弟姉妹の為に用意したので、お母さんが持っていて」
といった切り出しで、まずは貴方の身の回りの情報をまとめた資料、巷では「エンディングノート」「ライフプランノート」と言う名称で書店にも展示されているものですが、貴方に関する個人情報を網羅した資料を作成しましょう。
貴方の交友関係、例えば年賀状や時候の挨拶を交わしている友人知人の名前と連絡先(面倒ならば書簡をそのまま同封するだけでいいです)、貴方の名義の預貯金口座や保有する有価証券等の明細、口座引落しにしている各種取引先の連絡先(公共料金から各種年会費、定期購入している物品など等)。
要は遺言となると「誰に何を、どのくらい」といった具体的な内容が求められます。
そこで考え込んでしまい、混乱や躊躇を繰り返し、結果先送り・・・
恐らく当人も意識としては遺言について思うところはあると思います。
なので、取り敢えず、身の回りの情報だけは整理しておいてというメッセージを送る事から始めた方がいいのではないでしょうか?
その際も「しておいて」ではなく「私もしたから」が大切です。
「まず隗より始めよ」 は今も通用する諺です。
人にして欲しい事があれば、まず自分がすることです。
「子供がここまで考えているのに比べ、自分はまだ何も・・・」
という気持ちに自然に近づくような流れを用意してあげましょう。
身近な例でしたが、同様のステップを踏んで「頑固な親父」が財産目録を作成したところ、あるべきところにあるべきものがなかった! 完全に忘れていた財産が見つかった! など等、本人がびっくりする事態が発生したという事例がありました。
幸い、本人の記憶違いや家探しの結果、発見できて事なきを得たのですが、仮に何も調べないままに相続発生となっていたら、相続人の方には多大な負担となった事は確実な事でした。
遺言書の前に、まずは財産の確定、場合によっては推定相続人の確定までは最低限、被相続人が心身ともに健全な
うちに進めておきましょう。
被相続人が相続の為の用意をする事は当然の責務ではありますが、相続人がそのようなお膳立てを勧める事もまた、相続における責務なのですから。
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