故郷に住む高齢の両親にスムーズに相続の話を切り出す方法(福島県、男性)
故郷に住む高齢の両親に、相続の話をしたいと思っています。
しかし、いざとなると、なかなかその話を単刀直入に切り出しにくいのが現実です。何かスムーズに話を切り出せる方法があるでしょうか?
・福島県在住、男性 (51) 独身、自営業
多くの方から 同様なご質問をいただいています。皆さん、同じ悩みを抱えていらっしゃるのですね。
相続は、今までの人生をご家族のために一生懸命支えてきた御両親と、その意思を引き継ぐお子様たちとの最後のコミュニケーションの場と考えます。その最後の場を御両親は「争続」にならない様、強く念じられているに違いありません。
まず、相続では何より故人の遺志が強く尊重されます。それを意思表示したものが「遺書」です。これは「争続」にならないための最も有効な手段です。
「遺書」を残す割合は、相続が発生したケースでの約1割といわれています。これは、ご両親からすれば、自分の死と向き合うことになり、当然のことながら愉快なことではありません。愉快でないことをするのは、どうしても後回しになるのは人間の性です。
下の表は、主な年齢の平均余命(その年齢の方々が後、何年生きるか、表した表)をあらわしたものです。75歳の方ですと男性は後11年、女性は後15年生きることになります(平成25年簡易生命表から)。
その世代を親に持つ子供世代の50代からすると、そろそろ相続税対策を考えたい時期でもあります。相続を考える時に、まず親の相続財産がいったいいくらなのかを把握するところから始まります。そこに話を持っていく方法として、今後の御両親の最後のライフプラン(弊社ではこれをエンディングライフと呼んでいます)の作成を切り出すのも一つの方法と考えます。
まず、御両親の今後の年金収入やその他収入から、お孫さんへのおこずかいなども含めた生活費をひいて、いくらぐらい残っていくのか、計算をしていきます。この差し引きの金額が多ければ多いほど、御両親の生活に余裕が生まれ、もう少しお孫さんにおこずかいをあげようか、自分たちの将来かかるかも知れない介護費用として貯めておこうか、などと考え始めます。より具体的には、介護が必要になったら誰に頼むのか、全部自分たちで賄うのか、いったいその時いくら必要になるのか、施設はどんなところが希望か、終末医療の延命措置についてどうするか、そして人生の最後の節目である自分の葬儀はどんな風にしたいのか、少しずつ整理がされてきます。
ご両親たちもご自身のエンディングライフをいかに精神的にも金銭的にも充実させ、最期に悔いのない人生だった、として迎えたい、という気持ちは強くお持ちだと思います。これらのエンディングライフにかかるマネープランを作成し、それと同時に相続も話す、というのが現実的だと思います。
そこでお子様から、いきなり相続の話をしようと切り出すのではなく、今後のご両親のエンディングライフ、特にお金を切り口として、一緒に考えようか、と話しを持っていき、最後に相続の話題に触れていく、というのが自然な流れかと思います。エンディングライフに一体いくらかかるのか、漠然としたままでは、不安が残るのは当然です。敢えてお金という世代間の共通懸念を題材に使い、ご両親、お子様、そしてお孫さんの未来を一緒に考えるきっかけになるのが理想です。
もうすぐお正月を故郷で迎える方も多いかと思います。御両親、子供たちが一同に集まって話をする良い機会かもしれません。このタイミングで御両親のエンディングライフプランをお考えになったら如何でしょうか。
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