「支え合いマップ」のおかげで老後を楽しくすごせる幸せの島
高齢化社会は進み、まもなく超高齢化社会がやってきます。バリアフリーの施設や、企業による高齢者見守りサービスなどが行き届いていない田舎では、地域の人たちで助け合っていかなくてはいけません。田舎暮らしの本10月号では、集落に住む人たちが自ら「支え合いマップ」をつくり、介護保険料を15%もダウンさせた鹿児島県大和村の様子をレポート。そこは、笑顔あふれる幸せの島でした。
集落の真ん中に笑顔が集まるサロン
大和村内では10の支え合いグループが各集落で活動している。「のんティダの会」が運営するサロン「のんティダの会 笑談所」は102戸、人口200人弱が暮らす名音集落の中心にあった。喫茶コーナーが開かれる土曜日の午後、物置小屋を改装したという、かわいらしい建物を訪ねると、すでに中から笑い声が聞こえる。
「遠いところ名音まで、いもーれ(いらっしゃいました)」
6人のおばあちゃん、3人のお母さん、そのほか男性数人が、賑やかにお出迎え。「まず座って、コーヒーとおイモをおあがりなさい」
出されたセットは、サツマイモ、ゴーヤー、スモモのゼリー……。畑で穫れた野菜を持ち寄ってつくったものばかり。いただきながら、お話を聞く。
サロンができたのは2012年の冬。前年に各集落で住民が集まり、福祉で支え合いの必要な人のマップをつくったのがきっかけだ。集落には一人暮らしの高齢者も多く、気軽に集える場所があればと、集落の十数人が中心になって始まった。
「ここのコーヒーは特別なんですよ。マスター直伝ですから」
伝説のマスターとは故・岡村健一さんのこと。奥さんの故郷にIターンしたが、奥さんに先立たれ、一人で暮らしていたところを、サロン開設にあたり喫茶店経営の経験を買われてマスターとしてヘッドハンティングされた。
82歳で亡くなるまで、蝶ネクタイ姿のマスターがいれたコーヒーは、みんなに喜ばれたそうだ。
「できる人が、できるときに、できることをする。マスターもそうでした。長続きのコツです」
世話役の一人、重野弘乃さん(65歳)は言う。それでも多くの人がかかわっているから、喫茶コーナーのほか散髪、耕うん、食事お届け、集落見守りなど、できることは多彩である。
鹿児島県大和村(奄美大島)
奄美大島の北西部に位置する面積88.16㎢、人口1604人の村。特産品は果樹のスモモ、タンカン。平均気温は冬15℃・夏29℃(名瀬)と温暖で過ごしやすいが、台風の接近回数は多い。山地にはアマミノクロウサギ、アカヒゲなど希少種も生息し、環境省の野生生物保護センターがある。奄美大島のなかでは比較的観光地化されず、静かな暮らしが残る。
(文・写真/笹木博幸)
詳しい情報は、本誌81ページからの「10年後、医療・介護で困らない田舎」にてご確認ください。
記事提供元
サイト名 | 宝島オンライン |
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URL | http://treasurenews.jp/archives/7834/ |
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