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海外居住者の贈与税対策をズバリ解説!

事例:Aさん

米国籍の夫と結婚して10年以上米国に住んでいます。私は日本国籍で米国永住権(グリーンカード)を取得しています。私の両親(日本国籍)の老後のことも考えて、昨年、両親を米国に呼びました。今後も米国で生活し、日本に戻る予定はありません。

この度、米国でマイホームを購入するにあたり、両親から援助を受けたいと考えています。援助資金は、日本の賃貸不動産(父名義・両親が日本在住時に居住)の売却資金を予定しています。

 

Q1. 日本の賃貸不動産の売却の際の確定申告はどのようにすればよいですか?

Aさんの父が納税管理人を選任して確定申告と納税を行う必要があります。

 

 

Q2. 売却する不動産はもともと両親が居住用として利用していましたが、3,000万円の特別控除は利用できますか?

 

Aさんの両親が住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却が完了すれば、利用することができます。Aさんの両親が売却時に非居住者であっても、また、住まなくなってから売却するまでに賃貸していたとしても特別控除の利用に問題ありません。

 

 

Q3. 不動産売却資金の海外送金に日本の贈与税は課税されますか?

 

Aさんの父は非居住者ですが、贈与時から遡って5年以内に日本国内に住所があるので、贈与を受ける方に日本国籍がある場合は、Aさんの父の国内財産及び国外財産の贈与に日本の贈与税が課税されます。これに対して、贈与を受ける方に日本国籍がない場合は、Aさんの父の国内財産の贈与にのみ課税されます。

 

そのため、不動産売却資金(Aさんの父の日本預金口座に入金されたものとします)の贈与が、国内財産の贈与に該当するのか、または、国外財産の贈与に該当するのかで課税関係が全く異なることになります。

 

■国内財産の贈与に該当する場合

 Aさんの父→Aさんの夫(米国籍)の贈与 日本の贈与税は課税

 Aさんの父→Aさん(日本国籍)の贈与  日本の贈与税は課税

■国外財産の贈与に該当する場合

 Aさんの父→Aさんの夫(米国籍)の贈与 日本の贈与税は非課税

 Aさんの父→Aさん(日本国籍)の贈与  日本の贈与税は課税

 

 

Aさんの父の日本預金口座から、Aさんの夫の米国預金口座へ海外送金による贈与をした場合、この贈与資金は①送金直前は日本にあるので国内財産②送金により受領した口座は国外にあるので国外財産 という2つの考え方があります。

 

結論としては、Aさんの父とAさんの夫の間で海外送金前の日本預金口座の資金について贈与契約が成立していたと認定されることなり、その結果として、国内財産を贈与したとみなされ、Aさんの夫は日本の贈与税を課税されることになります。

 

 

Q4. 日本の贈与税が課税されるのを避けるためにはどうすればよいですか?

Aさんの父からAさんの夫への贈与を、国外財産の贈与という形にする必要があります。具体的な手順は次のとおりです。

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